THE 要塞計画

防犯効果を備えたガラスの種類

住居に侵入する空き巣・泥棒の窃盗の認知件数は
毎年高い水準で推移している。
そして「ガラス破り」の手段を使っての侵入が一番多く、
それもまだまだ増加傾向にある。
窃盗犯は犯行時に時間のかかることを極端に嫌うので、それを見越して
「穴をあけるのに時間がかかる」、「破壊されにくく、また手間がかかる」
「破壊時に周囲に響くくらいの大きな音の発生」などの性能が
防犯ガラスに求められている。
ではまず最初にガラスの種類にはどんなものがあるのが知っておこう。

フロート板ガラス(一般的な透明ガラス)

最も一般的なガラス、それがフロートガラスだ。
正式な名称で呼ばれることはほとんどいが、
通常「窓ガラス」とはこれを指す場合が多い。
住宅はもちろんのこと、公共施設や事務所、
ビル、店舗、ショーウインドウなど多岐に渡り利用されているガラス。
もともと防犯用に造られてはいないため、防犯ガラスと比べれば当然壊れやすい。

合わせガラス

2枚の板ガラスの間に柔軟かつ強靭な膜をはさみ、
そこに熱と圧力を加え接着させてできたガラス。
ガラスが中間の膜に強固に接着されているので、
万が一割れても破片が飛び散ることはない。
同じ厚さのフロート板ガラスに比べて
衝撃の貫通がしにくくなっており、仮に割って入ろうとしても
中間膜が盗難防止に効果を発揮してくれる。

強化ガラス

強化ガラスとはフロートガラスを一度高温で加熱した後で
急速に冷やすことで作られる。
それにより同じ厚さの板ガラスに比べて
約3倍の耐風圧強度も持つに至った。
平面的に掛かる負荷に強い反面、先端の尖ったものなどの
局地的な衝撃にはもろく、比較的簡単に破壊できてしまう。
破砕字には破片は粒状になるのが特徴で、
この破片による人体被害を最小限に食い止めてくれる。
今では殆ど見られなくなったが公衆電話ボックスのガラスや
車の窓などに使われている。
フロートガラス同様、防犯としての機能は備えていない。

網入板ガラス

見たことがある人も多いだろう、金網・金属線がガラスの中に
封入されているタイプのもの。網入板ガラスは防火に優れおり、
またガラス破砕時の破片の飛散を防止してくれるのだが、
頑丈そうな見た目とは裏腹に防犯性は高くない。

複層ガラス

2〜3枚の板ガラスの間に空気を封入し、
断熱性を高めたものが複層ガラスだ。
このガラスとガラスの間にある中空層が断熱性の高価を持ち、
室内外からの熱貫流を遮るため、
一枚で構成されたガラスに比べ、温度差によって失われる
貫流エネルギー量は約半分に抑えられる。
季節ごとの冷暖房に強い高価を発揮するので、
省エネルギーに貢献するガラスだ。
中空層の働きにより室内側のガラスの冷えを抑え、
更にガラス面の結露も抑止し、
快適な室内環境を造ることを目的に造られている。

狙われやすい窓の特徴を知る

普通の雨戸やシャッターなどの防御・防犯装備がない窓は狙われる原因となる。
また、道路や大通り、隣家からの見通しが悪い場所にある部屋の窓、
木々の植込みや背丈以上のフェンスにより、
死角が生まれてしまっている場所にある窓も危ない。
窃盗犯は当然誰にも見つからないように侵入を試みるので、
上記のような泥棒に都合のいい場所は
事前にチェックしておく必要がある。

ガラスの強化は必須

では、これらガラスの種類・特徴を踏まえた上で
「ガラス破り」の対策をするにはどうすればいいのか。
一般にはガラスから防犯ガラスに入れ替えたり、
多くの住居で使われているフロート板ガラスに
防犯フィルムを貼っての対策が考えられる。
腰高窓タイプにはめ込んだ防犯ガラスと防犯フィルムを貼った
フロート板ガラス・一般ガラスを対象に
侵入手段として多く使われている強引な
「こじ開け」、「こじ破り」、「打ち破り」の3パターンで
防犯性能について試験が行われそれぞれの統計が既に調べられている。
以下がその内容となる。 通常のフロート板ガラス、
網が内部に入っている板ガラス、そして強化ガラスは、
三日月形のお馴染みの鍵(クレセント)と補助錠の2箇所を施錠しても防犯性能は低い。
「防犯部品」として扱われている防犯ガラスは、容易に開けられることはないのだが、
ロック付のクレセント錠と補助錠を併用することが
ガラスとしての性能を上げ防犯効果を発揮する必須条件。
防犯フィルムは、クレセント付近に部分貼りしたものよりも
全面に渡って満遍なく貼った方が防犯性能の向上が認められた。
しかし防犯フィルムは「打ち破り」試験時にフィルムが剥がれてしまった。
基本的に防犯ガラスは、サッシと組み合わせることで防犯性能がより高くなる。
防犯ガラスや全面貼りを施した防犯フィルムは、フロート板ガラスより
ガラスの飛散を防止する効果が高くなり、割れたときの安全性に期待が持てる。

防犯フィルム

窓を強化するのは何もガラスの交換だけではない。
ガラスに張ることで防犯効果を発揮できる防犯フィルムだってあるのだ。
ガラスの強度を上げるだけじゃなく防犯効果も同時に高めてくれるので
防犯ガラスとのセット購入が望ましい。
防犯フィルムは、貼った反対側からの負荷に対しての強度を向上させるもので、
貼った側からは通常のガラスの様に容易く割ることができる。
したがって災害時の緊急事態にはガラスを内側から破って
避難できるというメリットがある。 しかしフィルム形状なだけに
貼り方が悪いと防犯効果を発揮できない場合がある上に、
凹凸がところどころにある窓や、風呂場のジャロジー窓など
接着しにくいというデメリットもあるのだ。
張ることができる窓であればその効果は高いので、防犯の際には一考する価値はある。

買う際の注意

実験調査によるフロート板ガラスなどの一般的に使われているガラスは、
クレセントと補助錠の2箇所を施錠しても防犯性能の
飛躍的な向上は見られないのでこの場合にはクレセントを
ロック付のものと交換し、その上で補助錠を併用することだ。
そうやってはじめて防犯性能が一人前に発揮できる
商品であることを覚えておいてほしい。
ガラスに防犯フィルムを貼る場合の注意点だが、調査結果の通りクレセント付近に
部分貼りするよりも全面に渡ってきちんと貼った方が防犯性能の効果が高い。
フロートガラスではなく防犯ガラスとして造られたものは、防犯用のサッシを
併用することで防犯性能をより高くすることができるので、
自宅建造時に施工業者との十分な内容確認をしておいたほうが安心できる。
防犯ガラスと防犯フィルムの価格の相場は、
サッシ2枚分で約50,000〜140,000円となり、
価格に比例して防犯性能が高まる傾向にあるので、
住宅環境及び使用・設置する予定の場所を
十分に考慮して選択したほうがよい。
計画的な設置が最終的に低コストの防犯へと繋がるというわけだ。

防犯ガラス・防犯フィルムに望む効果

防犯ガラスや全面貼りした防犯フィルムは、
一般フロート板ガラスに比べ防犯性能が高いことは確認できた。
しかし、この防犯ガラス自体にもある程度課題が見える。
例えば窓枠へのはめ込み時だが、
のみ込み深さが6mmの単板ガラス用サッシより、
10mm以上のみ込みの深さがあるサッシの方が防犯性能は高い。
防犯ガラスは単品としての使用よりも
サッシとの組合せで防犯性能が変わるので、
ガラスとサッシの両業界が提携・協力すれば隙がなく
性能の高い防犯ガラスを開発できるはずだ。
性能が高くなればそれだけ効果もあがり、
防犯グッズとしての普及もすすむと考えられる。
次の課題として、やはり防犯ガラス・フィルム共に
高価であることが挙げられる。
防犯ガラス・フィルムの普及促進を阻害しているのが、この値段設定だろう。
防犯を手軽実行するためには、防犯グッズはある程度
低価格でないと難しいのが現状だ。

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